Canva共通講座へようこそ!講師の佐々木です。
AI技術が進化し、作家やライターだけでなく、初心者でも簡単に小説を書くことができる時代が到来しています。
「小説家になろう」などの誰でも投稿できる小説サイトの盛り上がりに合わせ、新規で参入した方のAI活用が増えています。
ただし使い方のコツや注意点を押さえてないと意味がありませんので、本講座では、無料でAIを活用して小説を作成する具体的な方法、おすすめツール、利用時の注意点、そして実際の使い方を解説します。
AI小説とは?
AI小説とは、人工知能(AI)が生成したテキストを用いた物語のことを指します。AIは事前に学習した膨大なデータをもとに、プロンプト(指示)に従ってストーリーやキャラクターを構築します。従来の方法では時間がかかるプロセスも、AIを使えば迅速に行うことが可能です。これにより、作家やライターの新しい可能性が広がっています。
ただしAIを使用した小説には著作権や偽情報など多くの問題もあり、あくまで「小説執筆の支援」程度で活用するのが現実的だと思います。
AIを使って小説を書くメリット
小説を書く際にAIを活用する前に、改めて使うメリットをおさらいしておきましょう。なぜAIを活用するのか押さえておくことで、より効率的に・成果の高い使い方ができるはずです。
AIにより執筆の効率化を図れる
- 短時間での文章生成
AIは指定されたテーマや設定に基づいて、短時間で大量の文章を生成できます。これにより、執筆スピードが飛躍的に向上します。 - プロットやストーリーラインの提案
作家のアイデアを基に、ストーリーの骨組みやプロットを迅速に提示し、構想を具体化する手助けをしてくれます。 - 反復作業の削減
一定のパターンやスタイルで文章を書く場合、AIが作業を肩代わりすることで時間と労力を節約できます。
AIが創作のサポートをしてくれる
- 無限のインスピレーション提供
新しいキャラクター設定やプロットのアイデアを提案してくれるため、作家が思いつかなかった視点を提供します。 - ジャンルやスタイルの幅広い対応
AIは異なるジャンルや文体での文章生成が得意で、新たな創作スタイルに挑戦する際の良いパートナーになります。 - リサーチ不要の背景知識補完
物語に必要な情報を短時間で収集・反映できるため、設定や描写の説得力が増します。
AI活用のコストパフォーマンス
スキル不要で始められる
専門的な文章スキルがなくても、AIがサポートするため、初心者でも安心して取り組むことができます。
無料ツールの利用可能性
ChatGPTやCanvaなどの無料プランを活用すれば、コストをかけずに高品質な文章作成が可能です。
人材コストの削減
校正者や編集者を雇わずとも、AIが文章の整合性や誤字脱字をチェックしてくれるため、費用を削減できます。
おすすめの無料AIツール
現在、無料で利用できるAI小説作成ツールが数多く存在します。以下に、特におすすめのツールを紹介します。
ChatGPT(OpenAI)の特徴と使い方概要
特徴:
- 文章の生成力が高く、プロンプトに応じた自由度の高い小説が書ける。
- プロンプトに細かく指示を与えることで、ストーリーを自分好みにカスタマイズ可能。
使い方概要:
- OpenAIの公式サイトにアクセスし、ChatGPTにログインまたは登録する
- 「〇〇な設定で短編小説を作成してほしい」など具体的な指示を入力
- 出力された文章を編集・加筆して完成
AIのべりすと (AI Novelist)の特徴と使い方概要
特徴:
- 日本語で史上最大、総2テラバイト以上のコーパスからフルスクラッチで訓練した小説AI
- 日本の小説に特化しているため、専門的な文章作成やサポートが充実しています
使い方概要:
- AIのべりすとの公式ページにアクセスし
- 小説から、またはチャットからはじめてガイダンスに従って作成したいキーワードをちりばめた文章を書きだし
- AIに続きの文章を書かせ、出力文章を修正していく
Canva(AIテキスト生成機能)の特徴と使い方概要
特徴:
- ビジュアル作成が得意なCanvaに、AIテキスト生成機能が追加された
- 小説の構成やキャラクターデザインを同時に行える
使い方概要:
- Canvaにログインして「AIテキスト」機能を選択
- 小説の概要や設定を入力し、生成された結果を確認
- 必要に応じて編集し、Canvaで表紙や挿絵を作成可能
実際にAIを活用して小説を書く具体的な手順
それでは実際にAIを活用して小説を書いてみましょう。今回は一例としてCanvaAIを使用した場合の手順で説明しますが、ChatGPTなど一般的な生成aiであれば同じような手順で小説を書けます。
※CanvaAIによる文章生成は無料プランだと50回までとなります
AIに指示を与えるため、物語の概要やキャラクターの特徴、舞台設定を明確にしておきましょう。
- 主人公は30代の男性、舞台は2200年の東京、あらゆるものが無料で手に入る世界
- メインテーマは「無料でなんでも手に入る世界で起こっている経済」
Canvaの公式サイトにアクセスし、無料アカウントを作成します。登録方法はとても簡単ですが、うまくいかない場合は不明点は下記講座をご覧ください。
Canvaのホーム画面はアクセスするたびにボタン配置が切り替わりますので、環境によっては、「最初の下書きを書く」ではなく「ドキュメント」や「マジック生成」が表示されていることがあります。その場合には表示されているボタンを選択しましょう。
ボタンをクリックすると「作文タスクを説明」と表示されますが、一般的な生成AIでいうプロンプト(指示用テキスト、キーワード)にあたります。
小説の生成前に、全体のプロットを作成します。AIに明確な指示を出すほど、精度の高い文章が生成されます。
プロンプト例:
「主人公は30代の男性、舞台は2200年の東京、あらゆるものが無料で手に入る世界で起こる経済戦争について、起承転結型で2000文字のプロットを作成してください」
「この文章を少し修正する」ボタンから新たに「プロンプト指定」することで、出力された文章の一部を修正できます。
※実際に出力された文章は、手順説明の下に貼っておきます
ドキュメントに反映された文章は手動で修正・追加することができます。
プロンプト例:
下記文章を肉付けし、1万文字に増やしてください。内容は起承転結の「起」のみでストーリーを構成してください。
2200年の東京は、かつての都市の面影を残しながらも…以下先ほど生成した「起」の文章
ここまではあくまでAIによる文章の具体アイデアです。そのまま使ってもどこかで見たような展開、文章でありオリジナリティもなく、読者に喜んでもらうことはできませんので、かならず自身で文章を再構成・執筆していきましょう。
基本的に自分の知識にない文章は書けないのが小説家の難しいところですが、AIにより自分の知らないプロット案ができることで、調べながら自分なりの文章を作れることがAI活用の強みでもあります。
一般的な小説は文字数が10万文字程度と言われています。(新書やラノベなどジャンルにもよる)
おそらく本講座を見ている方は初めて小説を書く方が多いと思いますので、まずは10万文字で一つのストーリーを完結させることから始めましょう。
実際にAIが出力したプロット例
先ほど出力した修正を加えていないプロット例です。
指定したプロンプト例
「主人公は30代の男性、舞台は2200年の東京、あらゆるものが無料で手に入る世界で起こる経済戦争について、起承転結型で2000文字のプロットを作成してください」
CanvaAIが出力した小説プロット(起承転結型)
起
2200年の東京は、かつての都市の面影を残しながらも、技術の進歩によりあらゆるものが無料で手に入るユートピアへと変貌を遂げていた。誰もが必要な物資を手に入れ、生活の心配がないこの世界では、経済という概念そのものが過去の遺物と化していた。主人公、30代の男性であるタケルは、かつては需要と供給の世界でビジネスパーソンとして活躍していたが、この新しい時代ではそのスキルを活かす場所はなく、日々を無為に過ごしていた。承
しかし、ある日、タケルは古びた図書館で偶然にも、20世紀から21世紀初頭にかけての経済理論に関する書籍を発見する。彼は次第に無料経済に対する疑問を抱くようになり、かつての経済システムの再構築を夢見るようになる。タケルは同じく現状に疑問を抱く少数の仲間と共に、地下で密かに会合を開き、過去の経済システムを研究し始める。その頃、世界中で無料経済に対する不満が高まり始めていた。人々は物が簡単に手に入ることで、逆に価値を感じにくくなり、生活に張り合いを感じなくなってきていた。この不満はやがて、潜在的な不安定要素となり、各地で小規模な反乱が起こるようになる。
転
タケルは、仲間たちと共に新しい経済モデルを提案し、それを元にした新しい社会システムを構築する計画を立てる。この計画は、物資の価値を再定義し、人々がそれに対する対価を払うことによって、労働意欲を引き出し、生活に意味を持たせるというものだった。彼らは、計画を実行に移すために、都市の中央コンピュータシステムをハッキングし、新しい経済モデルを導入することを試みる。しかし、政府と既得権を守るための勢力がこれに気付き、タケルたちの行動を阻止しようとする。ここで、彼らは大規模な経済戦争に突入することになる。タケルたちは、現状を守ろうとする勢力に対抗し、全力で自分たちの信じる新しい社会を実現しようとする。
結
激しい戦いの末、タケルたちはついに新しい経済システムを導入することに成功する。最初は混乱が生じるが、次第に人々は新しいシステムに慣れ、働くことの喜びや物の価値を再び感じるようになる。経済戦争は終結し、東京は新しい活気を取り戻す。タケルは、かつて自分が無為に過ごしていた日々を振り返りながら、人々が生き生きと生活する姿を見て、自らの選択が間違っていなかったことを確信する。新しい東京は、物の価値を再び見出した社会として、未来へと歩み始めるのだった。
いかがでしょうか。なんとなくどこかで見た展開のように感じませんか?
これが小説執筆におけるAI活用の難しいところなのですが、生成AIは学習データから生成される、つまりどこかで見たような内容になって当たり前なのです。
つまり、プロットにせよ文章で使用するにせよ、あくまでAIが担うのはアイディア元となるプロット案の作成や文章案までであり、小説全体をAIにより自動化できるわけではありません。
(一部のセリフや地の文など部分的に使用することはできるかもしれませんが)
注意点とリスク
AI小説を作成する際には、必ず以下の点に注意しましょう。
- 著作権の問題:AIが生成した内容の著作権については各ツールの利用規約や、完成した小説を発表するサイトなどのルールを確認してください
- 独創性の欠如:AIは既存のデータを元に文章を生成するため、完全に独自性のある作品とは限りません
- 過度な依存を避ける:AIは補助的なツールとして使用し、人間の創造力を活かすことが重要です
よくある質問(FAQ)
本日の講座 まとめ
AIを活用すれば、初心者でもプロ顔負けの小説を簡単に作成できます。ツール選びやプロンプトの工夫次第で、AIは創作の強力な味方となるでしょう。
ただし、AIの力に頼りすぎず、自分の独自性を活かした作品作りを目指すことが重要です。無料ツールを試しながら、ぜひAI小説の世界に挑戦してみてください!