【実例紹介】COPYTRACK(コピートラック)は詐欺?無視して大丈夫?実際に対応した結果

【実例紹介】COPYTRACKは詐欺?無視して大丈夫?実際に対応した結果
あずま 学長

共通講座へようこそ!Canvas大学学長のあずまです。
本日は、ここ1年間で急激に報告が増えているCOPYTRACK(コピートラック)から届く画像無断転載対応メールについて、心配になっている方に安心してもらうための講座です。実際の対応内容・結果もあわせて共有します。

講座 目次

COPYTRACK(コピートラック)から届く著作権違反に関するメールとは

ざっくりいうと、メールを受けった方が運営しているウェブサイトやメディアで使用している画像について、無断使用しているので購入した画像であることを証明するか、ライセンス費用を払ってくださいという旨のメールです。(下記は実際に届いたメール文面)

メール件名:●●(メディア名)での公開に関しまして

メール送信者:COPYTRACK

無断転載画像ケースID:●●●(ケースID)

ご担当者様,
突然のご連絡で申し訳ございません。COPYTRACKはライセンスおよび著作権エージェントとして、弊社の顧客である●●●様(著作権者名)に代わりご連絡をしております。 著作権者の方は●●様(メディア運営会社名)が画像を無断で使用していることを発見し●●様(メディア運営会社名)との本件に関する無断転載対応を弊社に独占的に依頼しております。 こちらのご連絡前に画像を削除した場合でも、ライセンス費用をお支払い頂く必要がございます。
お手数をおかけ致しますが、協力弁護士に連絡前の●/●(日付)までに、ライセンスが証明できる書類のご提示をお願い致します。 ケース詳細につきましては、下記をご覧いただき、https://portal.copytrack.comにアクセスし●●●(ケースID)をご入力ください。

著作権者 ●●●様(著作権者名)
発見日 ●●●(メディアURL)
オンライン公開日 ●/●(日付)


COPYTRACKについて
2015年よりCOPYTRACKはクリエイターやブランドの著作権で保護された画像を保護するサポートをしております。 世界有数のデジタルライセンシングおよび著作権エージェントとして、200,000件以上の無断転載の管理、ライセンシング、法的措置に対応してきました。 ほとんどのケースは穏便に解決しておりますが、著作権者の知的財産を保護するため、必要に応じて法的措置を取ることもございます。

権エージェントとして、200,000件以上の無断転載の管理、ライセンシング、法的措置に対応してきました。 ほとんどのケースは穏便に解決しておりますが、著作権者の知的財産を保護するため、必要に応じて法的措置を取ることもございます。


現実
毎日仕事をするために起床し、お給料をもらうことは当然のことです。写真家やその他のクリエイティブな職業で生計を立てている中小企業の方々も同様です。もし、あなたの作品からお金を払わずに利益を得ている人がいたら、あなたはどうしますか?

何十億もの画像がオンラインで利用可能なため、無断転載画像は海の中の一滴に過ぎないと考えるかもしれません。しかし、そうではありません。あなたは明らかに利益を得ていますが、弊社の顧客は損失を被っています。無断転載の度に、彼らの仕事の価値が下がっていくのです。毎朝起きて、自分の作品が何度も何度も盗まれていることに気付いたとしたら、あなたはどう感じますか?


手続き方法
本件を穏便に解決するため、以下の手順で進めて頂けますようご協力をお願いします。

https://portal.copytrack.com にアクセスし●●●(ケースID)を入力後、本件の証拠をご確認ください。
こちらのメールにご返信いただく形で、ライセンス証明をお送り頂けますようお願いします。
または以下のいずれかの方法で著作権者の方にお支払い頂けます。
オプション1:事後ライセンスの購入(過去の使用をカバーし、購入後1年間の画像使用を含む)
オプション2:過去使用料の支払い(過去の使用をカバーしますが、それ以降画像をご利用頂くことができません)

お支払い
事後ライセンス料(購入日から1年間有効) ●● €(請求金額)
過去使用料(過去の使用分) ●● €(請求金額)
お支払い期限は ●/●(日付)
こちらの料金は、著作権者の作品の平均価格、使用種類、使用期間、損害、画像サイズなどから算出されています。速やかにお支払い頂けない場合は、追加料金が発生します。

いずれのオプションであっても、https://portal.copytrack.com から●●●(ケースID) を入力し安全にオンラインでお支払い頂けます。PayPal、クレジットカード、海外送金に対応しております。


解決方法
有効なライセンスをご証明いただけた場合は、すぐにケースをクローズ致します。メールや手紙が無視された場合は、法的措置を検討いたします。 弊社では、北マリアナ諸島を含む115カ国以上で勝訴実績がございます。著作権は世界中で保護されています。

ご検討いただけますようお願い致します。
Marcus Schmitt
CEO of Copytrack

クリエイターやブランドの知的財産を守り、作品の正当な対価を得るためのサポートにつきましては https//www.copytrack.com をご覧ください。利用規約(Terms & Conditions) はこちらからご確認頂けます。ご不明点がある場合は、よくある質問(FAQs)またはメールにてお問い合わせ下さい。

無断転載概要ケースID:●●●(ケースID)
証拠レポートに関しましてはhttps://portal.copytrack.com にアクセスし、こちらの●●●(ケースID)をご入力ください。
著作権者 ●●●様(著作権者名)
使用画像
発見日 ●●●(メディアURL)
オンライン公開日 ●/●(日付)
事後ライセンス料(購入日から1年間有効)●● €(請求金額)
過去使用料(過去の使用分) ●● €(請求金額)
お支払い期限は ●/●(日付)
© 2024 COPYTRACK GmbH

COPYTRACK(コピートラック) って実在する会社?詐欺じゃないの?

COPYTRACKはドイツに実在する会社で、著作権エージェントサービスを提供している

ドイツのベルリンに本拠地を置く会社(ヨーロッパや北米、東京などにも拠点あり)で、インターネット上での画像の無断使用を特定し、権利者に代わって使用料を請求するサービスを提供しています。画像検索やAIによる自動判定を用いて世界中の無断使用を探し出し、請求メールを送っています。

COPYTRACKから届くメールが詐欺かどうか

メール送信者が正しくCOPYTRACKであった場合、詐欺メールではありません。ただしCOPYTRACKを名乗って振込詐欺を行う業者からのメールである可能性があるため、必ず送られてきたメールのドメイン、記載されたメディアや著作権情報などが不審なものではないか確認しましょう。

COPYTRACK(コピートラック) はどうやって著作権違反を発見しているのか

画像検索やAIによる判定で著作権違反候補の画像一覧を生成

画像検索やAIによる判定で著作権違反候補の画像一覧を生成
COPYTRACK 権利者側の管理画面

COPYTRACKサービスでは、著作権者が登録した画像に対してAIによる判定を行い、著作権違反候補を一覧化します。

著作権者がCOPYTRACK上で無断使用・転載しているサイトに対して違反申請を行う

上記候補一覧に対し、著作権者が無断使用・転載と判断した画像使用先について申請します。つまり、メールが届く場合は著作権者からみて「無断使用・転載されている」と判断されたケースのみとなります。

上記違反画像の発見方法を見て、「いや、きちんと画像素材サイトから購入しているよ!」と反論したくなる方も多いのではないでしょうか。実際に、画像はAdobeStockなど画像素材サイトから正式に購入しているにもかかわらず、COPYTRACKから請求メールが届くケースが多発しています。
ですがご安心ください。本講座に記載している対応をとれば、請求に応じる必要はありません。

COPYTRACK(コピートラック) から求められる対応は?実際に対応した結果

ライセンスが証明できる書類の提示(購入した画像なのかどうか)

AdobeStock、istockphoto、PIXTAなど画像素材サイトから購入、またはサブスクプランなどを契約してダウンロードした画像素材の場合、ライセンスが証明できる書類を提示しましょう。

ライセンスが証明できる書類ですが、ダウンロードした日時がわかる証明書や購入時の領収書(請求書)などが対象になります。手元にない場合、契約している画像素材サイトのサポート窓口に証明書を請求しましょう。(依頼時、画像IDと大体でいいのでダウンロードした日付を記載するとスムーズに対応が進みます)

今回は、本学が実際に対応した事例をもとに下記ラインセンス証明のパターンで案内します。

手順1. メールに記載されているURLにアクセスし、日本語を選択

手順1. メールに記載されているURLにアクセスし、日本語を選択

リンクを偽装している詐欺メールの可能性もありますので、URLをコピーしてブラウザから検索しましょう。

手順2. ケースIDを入力し、ケースを確認をクリック

手順2. ケースIDを入力し、ケースを確認をクリック

手順3. 「はい」にチェックを入れて次へ

手順3. 「はい」にチェックを入れて次へ

ライセンスを持っていない(画像を購入していない、購入したか分からない)場合は「いいえ」にチェックを入れてください。ライセンスの購入手続き案内が表示されます。

手順4. 一番上にチェックを入れて購入した代理店名、購入年、証明書をアップロードする

手順4. 一番上にチェックを入れて購入した代理店名、購入年、証明書をアップロードする

手順5. 会社名含む、必要な情報に記入して次へを押すと完了

手順5. 会社名含む、必要な情報に記入して次へを押すと完了

数日後、COPYTRACKから問題をクローズするメールが届きます。

COPYTRACK(コピートラック)から解決したメールが届く

問題がなければ数日後、有効なライセンスが確認できたのでケースをクローズする旨のメールが届きます。
つまり、当たり前ですがライセンスを購入した証拠書類を提出することができれば、なんら問題ありません。

ライセンス使用料を支払う

もし指摘されている画像が実際に無断使用、転載画像だった場合には、ライセンス使用料を支払うしかありません。ただしこのケースにおいてはいくつかの留意事項があります。

COPYTRACK のサービスは適法か?(非弁行為=権利者に代わり金銭請求の代行をしていいのか)

第二東京弁護士の見解を引用すると、

1)無断転載に関する金銭請求の代行には資格が必要です
最近、写真やイラスト、漫画等のインターネットへの無断転載について、その賠償金の請求を代行するという会社が現れています。
このような賠償金の請求を代行・代理するには、弁護士や認定司法書士の資格が必要です(ただし認定司法書士については賠償額が140万円以下の事案しか代理することはできません)。これに違反する行為は非弁行為として、刑事罰(2年以下の懲役または300万円以下の罰金)の対象になります(弁護士法72条・77条3号)。もちろん株式会社もそのような業務を行うことはできません。
また、賠償請求ではなく使用料の徴収やライセンスの販売という名目であっても同様です。無断転載を理由に金銭を請求する以上は、名目を問わず法的には賠償請求であり、無資格で行うことはできません。
写真等の無断転載に関して金銭請求を代行する業者に注意を

と記載がありますが、COPYTRACKとしては金銭請求の代行行為にあたらない認識(あくまで事後ライセンスの購入提案)のようです。

COPYTRACK の請求金額は適切か?(根拠のある請求金額か)

事例を調べる限り、200(約3万円)〜500(約8万円)ユーロの範囲で請求されているケースがほとんどのようです。実際には過去の使用料も請求されるため、倍程度の金額が請求されています。

COPYTRACKとしては「著作権者の作品の平均価格、使用種類、使用期間、損害、画像サイズなどから算出されています」とありますが、法的根拠はありません。金額に納得できない場合は、直接著作権者に連絡を取りやり取りすることをおすすめします。

専門家に相談する

もし誤って悪質と判断され得る画像の転載、使用をしていた場合には、一度専門家に相談することも選択肢の一つです。TVCMも放映しているココナラなら、公に相談しづらい内容であっても気軽に、またはしっかりと相談する先を選択できますので、一度検討してみてはいかがでしょうか。

COPYTRACK(コピートラック) から届いたメールを無視して大丈夫?裁判になる?

無視してはいけません。必ず何らかしら対応してください。

先に挙げた通り、COPYTRACKの請求行為自体に問題があったとしても、もし無断で画像を使用していたり、勝手に転載をしている場合は違法行為です。仮に著作権者に訴えられた場合には負ける可能性が十分あります。

なお、もし無視した場合はCOPYTRACKから複数回催促のメールが届き、それでも無視すると弁護士からの連絡が届くようです。

裁判になる?実際の裁判事例は?

本学が調査した限り、少なくとも国内でCOPYTRACKが起こした裁判記録は見つかりませんでした

また、coconala法律相談では、同じようなケースにおいて過度に心配する必要はないとアドバイスしています。

写真に創作性があれば、ブログへの写真の無断掲載が著作権侵害に当たることは間違いありませんが、実際のところどれだけ損害があるのかはケースバイケースですし、ご相談にある事情からすると、高くともせいぜい掲載していたページの広告収入程度にしかならないでしょう。 裁判を起こしてこないとは限りませんが、英語で送られてきたからといって警戒する必要はありませんし、現時点では、著作権侵害が拡大しないよう画像を削除し、静観しておけば良いと考えます。

海外の企業から著作権侵害のメールが来た。

つまり、大量の画像を勝手に使用・転載しているなどの悪質なケースでなければ裁判を起こされて請求される可能性は低いといえるでしょう。

ただし1点だったとしても著作権を侵害していることには変わりません。無断使用や転載をしている場合には、必ず削除するなどの対応をしてください。

商用利用する場合は、万が一のためにもストック素材サービスを活用しよう

Canvaに限らず、無料の画像や動画、BGMをダウンロードできる素材サイトは多数ありますが、無料だったとしても、①商用利用を許可しているとは限らない②悪質なユーザーが有料素材を勝手に無料素材として登録している2パターンがあります。

特に法人が商用利用する場合には、メリットよりリスクの方が大きくなってしまいますので、有料のストック素材サービス活用を検討してみてください。

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そのほか、そもそもそ商用利用における詳しいルールなどを知りたいかたは、下記講座もあわせてご覧ください。

本日の講座 まとめ

本日は著作権に関連して昨今報告が増えているCOPYTRACK(コピートラック)からのメールを取り上げました。
毎日大量の詐欺メールが届く昨今、COPYTRACKからのメールも無視してしまいそうになりますが、本講座でお伝えした通り、落ち着いて必ず何らか対応しましょう。

さらに、画像の無断使用は厳禁です。Canvaをはじめ、無料で入手・使用できる画像素材サイトもありますが、画像ひとつひとつにライセンス形態が設定されている場合もありますので、注意して使用しましょう。

それでは本日の講座、「COPYTRACKは詐欺?無視して大丈夫?実際に対応した結果」は以上です。
ここまでお時間いただきありがとうございました。

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